「あずまんが大王」・othersコーナー共同企画
   境界領域雑文
   おみくじの話。

 皆さま、初詣には行かれましたか? お参りしたらおみくじ、というのは定番ですね。
 「あずまんが大王」 でもコミック第4巻133ページ、アニメ第25回でみんなが合格祈願をかねて初詣に行き、おみくじを引くシーンがありますよね。
 で、よりによって合格祈願で 「凶」 を引く、強運ならぬ凶運なとも。まわりの皆は 「すげーなぁー」 「おいしいなぁー」 などとひとごとのように (いや確かにひとごとですが) 言ってますが、ここで 「おや?」 と思ったのが、よみちゃんの 「初めて見た」 というセリフ。
 ことあるごとに書いてきましたが、少なくとも私の経験では 「凶」 ってそんなに珍しくないんですね。
 私の場合、初詣は大晦日の夜から元旦にかけて近所の神社に行き、あと三が日の間に (この辺りでは) 有名な神社に両親と出かけ、それから都合が付けば友達と出かけることもあります。 そんなわけで年によって違いますが、一正月に1〜2回、多くて3回ぐらいお参りすることもありました。
 さて、おみくじは最初に行った神社で引き、良い結果だったら 「よし、今年の運はこれで確定」 としてその後はお参りはしても引きません。 もしも最初に行ったところで 「凶」 などが出たら、次に行ったところでまた引いてみる、という非常にご都合主義的な方法 (笑)。
 まぁ 「何回もひくもんじゃありません」 とも言いましてそれはそれで頷けるのですが、一方で凶を引いた、と言ったら 「じゃまた引かなきゃ」 という人もいまして、いろいろですね。 かの明智光秀は反旗を翻す前、3回もおみくじを引いたんだとか。 どういう結果だったのかは分かりませんが、人間らしさを感じさせる逸話です。

 で、ある年。 なんと3回連続で 「凶」 を引いてしまったことがありました。 その頃はなんせついていない時期でしたから、何となく納得してしまいましたが(笑)
 また別の年、おみくじを引いてみると、母も私も 「凶」。 おみくじを紐に結んで振り返ると、後ろにいた人のおみくじがたまたま目に留まりました。 「凶」。 えっ! とその隣の人をちらっと見ると、「凶」。 さらにその隣の人も 「凶」……!
 ええっ!? まさか、ここのおみくじは何故か 「凶」 を多くしているのでしょうか……!?

 だいぶ昔、クイズ番組か何かで、大吉とか凶はどのくらいの割合で入っているのか? という話題を見たことがあります。 で、ある神社に協力してもらって、一定量のおみくじを開封して大吉とか末吉とかに分類していきました。 その結果……凶は0!
 インタビューに答えた神主さん曰く、「気分良く帰って頂きたいので凶はなしとしています」 とのこと。
 ご厚意は痛いほどよく分かるのですが、それも何だかな〜、と思ったものです。
 また比較的最近、母がTVで見たという話題。 あのおみくじを作って、神社に卸しているというところがあるそうですね。 で、以前は凶はなしとしていたが、神社側から 「それではおかしいと要望があって、凶も入れるようにした」 と言っていたそうです。

 振り返ってみると……確かに私自身 「凶はそんなに珍しくもない」 と思っているのですが、よくよく考えると私の引いた凶は、両親と一緒に行くこの辺りでは有名な神社、周りの人々がみんな凶という光景を目撃したその神社に多かったような気がします。
 TVなどで見た話題より、神社によって凶の確率はかなり違う可能性が考えられます。 やはりあそこは凶の割合を多くしているのでしょうか……?
 一方、凶を 「初めて見た」 と言ったよみちゃんは、たまたまそれまで凶を入れていない (または少ない) 神社にお参りしていたとすれば頷けます。 (どっちかというと合理主義的と思われる彼女の場合は、これまでおみくじ自身をあまり引いたことがなかったという解釈もできるかもしれませんが、他の面々も珍しがっているのでここでは置いておきましょう)
 そう思ってネット上でざっと見てみると、7回連続で凶を引いた(!)とか、どこそこは凶が多い、とか結構ありました。 やっぱりそういうもののようですね。

 例えば世の中が暗い時、 「大吉」 を連発するよりも 「凶、ただし今をこらえれば春が来る」 といった方が説得力があるかも知れませんね。 実際そういう意図があるかどうかはもちろん分かりませんが。
 でも凶にもいろいろあって、 「願い事叶わず」 とか 「病気長引く」 なんて書いてあったら、合格祈願や病気の家族を持った人なんかはたまったものじゃありませんよね。 同じ凶でも、希望や救いのある凶(?)であってほしいものです。
 新年早々凶、凶とすみません(^^;)

 ところで。 皆さまは読んだおみくじをどうしていますか?
 木 (またはそれ用の紐) に結ぶ、のが定番だと思いますが、うちの母によれば、良い結果だったら持って帰る、悪い結果だったら結んでくる、とのこと。
 「あずまんが大王」 ではちよちゃんが 「確かに結ぶと清められて悪いのが消えるとか聞いたことあります。 でも、結ぶと書いてあることが叶うってのもよく聞きます」 と言ってます。 ともじゃあありませんが、「どうしたらいいの〜?」 その後処置に困ったともは人に押し付けてますが、そりゃないでしょう。 あ、でも以前、丸めたおみくじが灰皿に入れられてるのを見たことがあります。 それを見た友人、「よほど嫌なことが書いてあったんでしょう」。 う〜む。
 ちよちゃんのセリフ、良く解釈するならば 「結ぶと悪いことは消え、いいことは叶う」 と取れそうな気もしますね。
 ところで、ある神社で、たくさんのおみくじを結ぶと木に良くないので持ち帰ってください、と書いてあるのを見たことがあります。 結ぶにしても、それ用の紐に結ぶのが良いようですね。
 いずれにせよものは取りようで、ある友人は凶が出たら出たで 「よし、これ以上は悪くはならない」 なんて考えるそうです (もっとも、良くなるとも限らないわけですが ^^; あ、それと場所によっては凶の下に 「大凶」 があるそうな。 当たりたくないなぁ)。
 月並みですが、あまり気にするよりは良い意味で 「都合良く」 解釈するのがいちばんかも知れませんね。

2004.01.05