第3部まえがき
「戦艦メムノーン伝」お楽しみいただいておりますでしょうか。1999年5月にスタートしてから1年少々。当初はアムリッツァ会戦を中心とした第1部のみの予定だったのですが、辺境の立場を考えるうちに、後の救国軍事会議のクーデターにつながる構想へとつながり、次第に第2部が思い浮かんできました。ところがいざ第2部を書き出すとこれが予想外の長さになってしまったため、第2部はクーデター発生前までとなりました。
さて、いよいよ第3部は救国軍事会議によるクーデターが中心となります。といっても舞台が主に辺境なので、第2部のような原作で登場した人々が登場する機会は少なくなるかと思われます。ここでは原作に登場しない人々による展開がメインとなりそうです(むろん原作に沿ってが大原則ではありますが)。
原作では当然ヤン・ウェンリーのみにスポットが当たっていますが、あのクーデターの最中、辺境や無名の人々はどうしていたのか−。そこまで大それたものは描けるかどうか分かりませんが、そんな視点を目標に、第3部へと出航したいと思います。