な、な、何故にOwl共和国に妖怪……!?

 百鬼夜行といえば妖怪。これまでOwl共和国で取り上げてきた内容とはまたちょっと違った方向に感じられることと思いますが、実はごく近い方向性の中にあると考えています。そこで、何故にOwl共和国に妖怪が出現したのか、まずはその辺りから……


妖怪と動物
 Owl共和国では柱の一本として、動物を中心とした「自然」を取り上げています。言うまでもなく、妖怪の多くは動物や自然現象と密接に関わっています。すでに「フクロウ雑記帳」で述べさせていただいた内容と重複しますが、古来より伝わる妖怪の中には、動物と関係のあるものが数多くあります。
 九州では秋の深夜、河童が鳴きながら移動していくという言い伝えがありますが、その移動の季節や経路を調べると、渡り鳥の一種アオアシシギと一致するそうです。また平家物語にも登場する鵺(ヌエ)という妖怪は、夜に「ヒョーヒョー」と人が泣くような気味の悪い声で鳴くトラツグミという鳥が、その声の正体だと言われています。また、ムササビが飛び立つ時にバラバラと撒くフンが、あの「ゲゲゲの鬼太郎」で有名な砂かけ婆の砂かけになったとのはないか、という説もあります。
 そして、何と言ってもキツネタヌキムジナ(アナグマ)、さらにはネコなど、時に妖怪として恐れられ、また親しまれた動物も数多くいます。妖怪とは、人間から見た動物の姿の一つと言えるのではないでしょうか。


妖怪とSF
 それから、Owl共和国のもう一本の柱であるSFも、妖怪と関わりを持っています。キツネやタヌキを取り上げたショートショートは枚挙にいとまがありませんし、いずれ取り上げたいと思いますが、妖怪の正体、妖怪にまつわる歴史的事件、現代に生きる妖怪から見た社会、妖怪と人間の闘い……などなど、様々なSF的アイデアの源泉となりました。さらに古典的な妖怪とは違いますが、妖怪を思わせる存在を描いた作品も多数あります。
 妖怪は日常世界と異世界をつなぐ存在の一つであり、その異世界を舞台とするSFやファンタジー、ミステリー、ホラー等々にとって恰好の素材であると言えるでしょう。


 さて。ここまでもっともらしく理論武装してきましたが(笑)、最大の理由は……
 わがOwl共和国でも2000年にチョコエッグを扱った「ChocoEgg 動物園」を開園しましたが、このチョコエッグに関する情報を集めているうちに、同じフルタ製菓さんが発売している別の食玩シリーズ 「百鬼夜行」 も目に止まるようになりました。
 最初の頃は 「うーん、ちょっと怖い?」 と敬遠していたのですが、ある日何気に鎌鼬(かまいたち)を手にした時……あ、これも動物じゃん、と閃いたのですね。そして上述のように、以前アップした文章にも妖怪があったことを思い出しました。
 そう、やっぱり妖怪というのも、人間と自然との触れ合いの一つではないでしょうか。ちょっと変わった分野ではありますが、人間から見た自然界の姿の一つとしてお楽しみ頂ければ幸いです。