後 記

 「メムノーン伝」では「いかに原作と矛盾せずに新しいエピソードを付け加えるか」を試してみたつもりですが、結局アムリッツァなんて、ほとんど史実をなぞるだけになって面白味がなかったかと思います。でも書いてる方は結構楽しませて頂きました。
 そもそものきっかけとなった「銀河英雄伝説 DATABOOK メカニック&声優大事典」(徳間書店,1999年)には《メムノーン》の他にもいくつかのアキレウス級戦艦が紹介されていますが、その中からなぜ《メムノーン》を選んだかというと、原作に登場しなかった中では唯一生き残ったアキレウス級だったからです。
 ちなみに、原作では登場せず DATABOOK で紹介されたアキレウス級には、以下の6隻があります。

《ヘクトル》  第11艦隊旗艦、第3次ティアマト会戦で撃沈
《ペンテシレイア》 第4辺境星域分艦隊旗艦から第7艦隊に編入、アムリッツァで撃沈
《メムノ−ン》 第1辺境星域分艦隊旗艦から第10艦隊に編入、アムリッツァより生還
《ペプロス》 第2辺境星域分艦隊旗艦から第3艦隊に編入、アムリッツァで撃沈
《プロテシラオス》 第8辺境星域分艦隊旗艦から第8艦隊に編入、アムリッツァで撃沈
《グラウコス》 第7辺境星域分艦隊旗艦から第12艦隊に編入、アムリッツァで撃沈


 ご覧の通り《メムノーン》を除き、登場する全ての辺境艦隊旗艦がアムリッツァ会戦で失われたわけです。この辺境戦力の喪失が、今後のキーとなる予定です。
 戦争反対の私としては、やっぱり主人公が戦死する話は書きたくなかったですし。もちろんヤン・ウェンリーの様に、死してなお何らかの象徴として重要な位置を占めることもあります。しかしそれは有名人のみに可能なことであり、私が描きたかった無名のキャラクターに出来ることではありません。
 それに、やはり人間は生きてこそ本来の姿。生きた人間の目を通して見る世界こそ、現実の世界です。

 第一部はアムリッツァが中心になったので史実をなぞっただけになりましたが、第二部はもう少し独自のストーリーを考えてみたいと思っております。
 あと、わざわざアムリッツァをそのままなぞったのは、アムリッツァにおける疑問点を自分なりに解釈してみたかったこともあります。そうした疑問点、なぜ「メムノーン伝」ではこう描いたのか、という点も、以下の補足に記載いたします。ぜひ皆さまのご意見をお聞かせ下さい。
 
あとがき補足
1.分かっててやってます! − あるいは、言い訳ともいう(^^:)
   (「メムノーン伝」と原作の相違点について)
2.「メムノーン伝」で登場した艦船
3.アムリッツァの謎


戦艦 《メムノーン》 の推進力は核融合ですが(笑)
「メムノーン伝」 の推進力は皆様のご意見ご感想です(*^^*)
今後もなにとぞよろしくお願いいたします。

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